Vol.214 自益信託とは
医師と患者との関係でいえば。
病や怪我を患っている患者が「委託者」
治してほしいと思っている自身の体が「信託財産」
病や怪我を治す、すなわち治療を引受ける医師が「受託者」
治療を受け、それによって元気になるという利益を受ける自身が「受益者」
そして、そのお代として受託者に支払う医療費が「信託報酬」。
信託は、そのようなイメージで整理できますね。
ただ、信託法上、
「信託報酬」は、必須ではありませんが(^^;
もっというと、「信託報酬」を目的として「業」として行うなら、
信託業法を見ておく必要があるので、手広く行うなら、こちらは要チェックですね。
で、先に挙げた例では、「委託者」と「受益者」が同一です。
これを”自(分で利)益(を得る)信託”、「自益信託」といいます。
信託を実行しても、その段階では贈与税などの問題が起こりません。
一方、「委託者」と「受益者」が異なるとなると、税の問題が顔を出します。
税法上、信託財産は、「委託者」の手を離れ、「受益者」に移ったと考えます。
たとえば、自分の持っている「土地」を信託財産として、
自身の子供に「土地の管理を頼まれてくれないか」として信託し、
その土地を貸すなどして得る利益や、売却して得る利益は、孫にあげる。
そのような信託をしたとすると、
信託を実行した時点で、「孫に土地を贈与した」
そう、贈与税が課税されちゃうってリスクが出てくるわけです。
意図したところではない税が課税されちゃうと、たまりませんよね(><)
このように、信託法上は実行可能でも、税の問題が解決しないと、
利用できないようなことも、しばしば見受けられるところ。
信託でいえば、税負担の問題を回避するなら、
まずは「自益信託」なのでしょうね。
「そんなことないよ、こうすればクリアできるよ」
なんてやり方があれば、是非に教えてほしいです(^0^)/