Vol.18 固定資産税が・・・?!
昨日に引き続き、政府税制調査会で議論されている内容です。
以前にも簡単に触れた内容ですが、再度。
不動産について課せられる固定資産税ですが、現在は税金を計算するうえで損金とされていますね。
これを、法人が所有する不動産に係る固定資産税については、損金として認めない!なんて改正が現実のものになるかもしれないんですね・・・。
理由は、
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法人事業税や固定資産税等が損金算入されることで、地方の超過課税や減免措置が国税の課税ベースを変動させ、同時に国税と連動する住民税や事業税の課税ベースも変動させる。
例えば、地方公共団体が超過課税を行えば、その分国税収入が減少し、結果的に地方交付税の原資が減少する。
また、この場合、住民税や事業税の課税ベースも縮小するため、事業者が複数の地域に拠点を持つ場合には、他の地方公共団体の税収入にも影響を与えることになる。
近年、多くの地方公共団体が、特区制度などを活用して法人事業税や固定資産税を減免し、企業誘致を行っている。
この場合、損金算入額が減少し、国税負担は逆に重くなることになり、地方税の軽減効果が減殺される。
(略)
このように、税の性格上は損金算入が自然ではあっても、地方公共団体独自の措置が国税収入や他の地域の税収に影響を与えることや、各税目の税負担が納税者にとって不明確になることを考慮すれば、地方税を損金不算入とすることが考えられる。
http://www.cao.go.jp/zei-cho/news/2014/__icsFiles/afieldfile/2014/08/14/26kiso3kai_2.pdf
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ということだそうで・・・。
つまり、
固定資産税を損金にする→所得が減るため、法人税が減る→法人税に連動する地方税も減り、地方税収も減る+国の税収が減るから地方交付税が減る。
逆に、企業誘致などで固定資産税の減免などをすれば、
損金に計上する金額が減る→所得が増えて、法人税の負担が増える→法人税に連動する地方税も増え、地方税収も増える+国の税収が増えるから地方交付税も増える。
と、先に書いた循環とは正反対になり、固定資産税の軽減効果も限定的なものになるよね。といっているわけです。
ん~、確かにそういう理屈も、ある意味では成り立つのでしょうが、しかし、仮に現実に改正されると、不動産を大量に所有している法人には相当ツラいように思うのですが・・・。
「いや、無理でしょ」という意見も出されているようですが、「法人税率の引き下げをするなら、不足する財源を確保してね。」という意見にどう対抗するか。注目ですね。