Vol.50 範囲は「書画骨とう」<「美術品」、価値は「書画骨とう」>「美術品」
「書画骨とう」=「美術品」と考えていないのが法人税法。
前者は後者よりも格上と考えているんです。
で、美術品について、法人税の取り扱いが改正され、100万円未満で買った「美術品」は「減価償却資産」として取り扱えるようになります。
現行では、1点20万円未満かどうか、絵画は号2万円未満かどうかで判断されています。
法人税法では、時の経過によって価値の減る資産は「減価償却資産」とされます。購入した時に、一時に費用とはせず、減価償却という手続きによって、その資産が使用できる期間にわたって、少しずつ費用として計上していきます。
たとえば、1千万円で建てた建物が、20年使用できるとすれば、毎年50万円を費用として処理していく。そんな感じです。
でも、時の経過に関係なく価値が上がることもあり得るのが「書画骨とう」と、法人税では考えています。価値が減らないから、減価償却資産に該当しないことになります。
でも、持っている「美術品」が、「書画骨とう」に該当するかどうかって、判断は難しいですよね。
これについて「法人税基本通達7-1-1」というところで規定しています。
(1)古美術品、古文書、出土品、遺物等のように歴史的価値又は希少価値を有し、代替性のないもの
(2)美術関係の年鑑等に登載されている作者の制作に係る書画、彫刻、工芸品等
これらは、「書画骨とう」だとしていて、さらに注書きで、
「書画骨とうに該当するかどうかが明らかでない美術品等でその取得価額が1点20万円(絵画にあつては、号2万円)未満であるものについては、減価償却資産として取り扱うことができるものとする。」としています。
これが改正されることになります。
100万円を基準にしたのは、
①新鋭作家のデビュー作は1点60~80万円で取引される実態があること。
②市場で一定の評価を得られる作者かどうかは、作品の価格が100万円を超えるかどうかで評価できるという専門家意見があること。
③絵画の価格は、絵画の大きさに応じて決まるものではないので、他の美術品と同様に判断し、号2万円基準は採らない。
ということだそうです。
では、贋作(がんさく)に1千万円を支払っていたらどうなるのでしょうね(^^;
ん~、ちょっと調べてみようかな。