Vol.79 目的達成を果たすために
何度か消費税のことを書いていますが、凄く影響が大きいだろうなと思うので。
昨日の日経の記事です。
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自民、公明両党は20日午後、与党税制協議会を開いた。生活必需品の消費税率を低く抑える軽減税率について、2017年度からの導入を目指すことを正式に決めた。今後は対象品目や区分経理などについて具体的な検討を進める方針だ。
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自民党は、公明党との調整を図ったんでしょうが・・・。
しかし、軽減税率を入れちゃって、本当に良いのでしょうか。
これまで、いくつか問題点を書いていますが、対象品目をどうするか、
仮に、各業界に意見を求めたとしたら、たぶん収拾がつかないと思います。
どの業界についても、「消費税は低い方が売り上げに繋がる」と考えるでしょうから。
公明党は、「低所得者対策として、生活必需品の税率を低く抑える」ために、軽減税率が必要と唱えています。
食料品などの生活必需品の消費税率が低いと、低所得者を守ったという一面はあるかもしれません。
ただ、よく考えてみると、その恩恵を大きく受けるのは、低所得者ではなく、富裕層でしょう。
1パック300円の卵と100円の卵が並んでいて、どちらを買うか。
魚沼産コシヒカリとブレンド米が並んでいて、どちらを買うか。
高価な松阪牛と安価な牛肉が並んでいて、どちらを買うか。
・・・etc
100円の消費税負担がなくなる人と、1円の消費税負担がなくなる人。
軽減税率の恩恵を大きく受けるのは、・・・明らかですよね。
これで低所得者対策と言い切って良いのですかねぇ。
本当に低所得者対策を図るなら、一定の所得以下の人の所得税の負担軽減を図る。
そもそも所得税の負担がないような低所得者の人については、
税額を減らせない代わりに、給付をする。
「給付付き税額控除」と言う手法で、軽減税率より的を射た手法でしょう。
給付付き税額控除なら、対象品目の選定作業は不要。
選定作業に携わる役人さんの時間も費用も不要。
富裕層が恩恵を受けることを排除できる。
・・・etc
「社会保障制度の維持」には消費税率の引き上げが必要で、
反面、消費税率引き上げの副作用を抑えるため、
「低所得者層の救済」を図ることが必要。
目的達成のために、何が必要なのか。
与党の議員の先生方には、もう一度、よく考えてもらいたいものです。
尤も、党の掲げた目的(公約)を達成し、選挙での勝利が目的と言うなら、話は違うでしょうけれど(^^;