Vol.112 昭和天皇の相続
今日は、とある勉強会がありました。
毎年、このくらいの時期に開催されるのには理由があり。
そう、例年税制改正大綱が発表されている時期で、その勉強が主な内容。
ところが、今年はご案内の通り、意味不明の衆院解散総選挙の影響で、未発表状態。
税制改正大綱を待っていた関係者にとっては、クリスマスプレゼントがお預けとなったわけです(――)
今日の勉強会をご担当された講師の先生も、
きっと困られただろうな・・・と思いきや。
興味深いレジュメを作成されました。
で、ブログの今日のタイトルです。
主には、過去の税制調査会の議論を中心とした講義でしたが、レジュメの最後に目を引かれました。
そこには「天皇陛下の相続税”菊のカーテンの中は意外に豪華だった”」という内容の記事が。
昭和63年1月7日、昭和天皇が亡くなられ、その相続税の申告についてのお話しです。
天皇陛下に相続税って違和感があったのですが、
天皇とはいえ日本国民なわけで、相続税の納税義務があるのですね。
では、昭和天皇がどんなものを財産として持っていたかというと。
いわゆる「三種の神器」をはじめ、皇位とともに引き継がれるもの。
上場株式などの金融資産が約18億円、美術品が約7,000万円。以上。
ご自宅である皇居、別荘(?)としての京都御所や御用邸などといった不動産は、
昭和22年のGHQの命令と、憲法88条の規定で国に移管されたため、個人所有はゼロ。
ご自宅などは、現在も国から無料で借りているんですね。つまり、天皇は借家住まいってこと。
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憲法88条
すべて皇室財産は、国に属する。
すべて皇室の費用は、予算に計上して国会の議決を経なければならない。
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これが、昭和天皇が所有していた財産の、おおよその内容だったのだとか。
金融資産や美術品について、相続税が課税され、当時で4億円以上もの相続税を納めたそうです。
三種の神器などについてはどうなったかといえば。
相続税法12条 (相続税の非課税財産)が手当てしているんですね。
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次に掲げる財産の価額は、相続税の課税価格に算入しない。
1 皇室経済法 (昭和22年法律第4号) 第7条 (皇位に伴う由緒ある物) の規定により皇位とともに皇嗣が受けた物
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なんと、税法は天皇家についても、きちんとカバーして作られてるんです!
来年は相続増税元年。平成天皇も、きっと意識していることでしょう(^^;
税制改正大綱がなかったのは残念ですが、面白いご講演でした♪
本日の講師、税理士の小池正明先生に感謝 m(_ _)m