Vol.177 税制も国際化
税制って、毎年どんどん複雑化の道を辿っていますね。
「税負担を免れようとする行為を防ぐ必要がある。」
これが年々複雑化していく要因の一つですね。
日経デジタルの記事です。
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大手ゲームメーカー「タイトー」(東京都新宿区)のイスラエル人創業者(故人)の妻(当時89)が2013年に亡くなり、
国外で暮らしていた長男と長女が、海外にあった母親の財産約200億円にかかる相続税約110億円を滞納していることが分かった。
13年度の税制改正により、海外に住む相続人が相続した海外の財産についても日本国内で申告し、納税するよう制度が変わったが、
2人は「法律の周知期間が短すぎる」などと主張。国内財産分は納税したものの、海外財産分は滞納しているという。
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平成25年4月1日以後の相続や贈与については、
被相続人や贈与者が、相続時や贈与時に日本に住んでいれば、
相続人や受贈者が外国人でも、取得した「全財産」が相続税や贈与税の課税対象です。
で、この改正がされたのも、その背景があったわけで。
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父:「まさか、花子の結婚相手がマイケルとはなぁ。アメリカに行って、もう5年も経つんだなぁ(・・・シミジミ)」
母:「ほんとうにねぇ。孫の名前がキャサリンだなんて(苦笑)」
父:「そういえば、わしが死んでも、海外にある財産なら、花子が相続すれば相続税かからんのだよなぁ?」
母:「そうですねぇ。あの子はもう日本国籍もありませんものねぇ。」
父:「だったら、早いとこアメリカに財産を移しとこうか」
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こんな話なら、まだ理解できますが。
なかには、わざわざ日本国籍から外国籍に変える。なんてケースも(^^;
相続人が外国籍になって、財産を海外へ移して相続税や贈与税を免れることへ対応したわけです。
どんどんと国際化が進んでいる近年、
昭和の時代には考えなかったことが起こるようになった。
時代に合わせて、人々の考えや行動も変化し、税制も変化を遂げていくわけですね。