Vol.196 いじめ撲滅運動
経営者のかたには、公正取引委員会と、税務署から、
「取引先さんは、消費税の引き上げに応じてくれてますか?いじめられてたら報告してね」
といった趣旨のアンケート調査が届いていたかと思います。
これに返信した結果発覚したのでしょうかね。
今日のタビスランドの記事です。
△
監視・取締り対応の強化では、買手側の転嫁拒否行為に対して、
転嫁対策調査官(転嫁Gメン)による監視・取締りを行っており、
2月末までの累計で、
違反行為が明らかになった事業者に対する指導を1615件(うち大規模小売事業者80件)、
措置請求を3件、公取委による勧告・公表を15件(同2件)実施した。
(略)
主な指導事例をみると、「買いたたき」(消費税転嫁対策特別措置法第3条第1号後段)では、
金属製品製造業のA社は、ブリキ缶の納入業者(特定供給事業者)に対して、
また、卸売業のB社は、物品の運送業務を委託している事業者(特定供給事業者)に対して、
ともに平成26年4月1日以後も消費税率の引上げ分を上乗せすることなく、
消費税込みの委託代金を据え置いていたことが明らかになっている。
▽
みなさんは泣かされていませんか?
少なくとも、泣かす立場になっちゃいけませんよ。
会社の顔に傷がつく。そんなことになれば、消費税どころの話じゃないですからね!
Vol.195 国の管理下に置かれる日?
未だ施行されていない通称「マイナンバー制度」ですが。
施行に向けて、周辺の法律を整備する改正案が国会へ提出されたのですね。
今回の改正案を一言でいえば、
① 個人情報保護法の整備
② 番号利用法の利用推進
この2点ですね。
このうち②について改正案概要では、
△
預貯金⼝座への付番、
特定健診・保健指導に関する事 務における利用、
予防接種に関する事務における接種履 歴の連携等
▽
と説明されています。
「預金口座へマイナンバーを付番して、相続税を中心とした脱税摘発に役立てよう。」
「医療費が嵩まないよう、健康診断などを徹底させ、感染病などの拡大防止に役立てよう。」
ってなところが、
改正案の本音でしょうかね。
つまり、「財政再建に役立てる」
これがマイナンバー導入の大きな目的だと。
(←マイナちゃん)
で、本音がそうとしても、改正案にそう書けるはずもなく。
たとえば、預金口座に番号を付番する理由について、法律案要綱 P15では、
△
預金保険機構等が行う金融機関破綻時の預金保険制度等における債権額の把握に関する事務において個人番号を利用できるものとすること。
▽
なんて解説されています。
「国民の皆さんにメリットありますよ~」と飴を出す。
これについて、今週の週間税務通信の記事でも書かれていて、
△
税務当局は銀行等に対し、税務調査でマイナンバーを付された預金情報を利用することが可能となる。
▽
と、スルドイ突っ込みを入れています。
皆さんの金融資産情報も、国の管理下に置かれる日も、
すぐそこまで来ているのかもしれないですね・・・。
Vol.194 そして、ふたたび
昨日で所得税の確定申告も終了しましたね。
一応なんとか無事に乗り切れましたが。
いや~、本当にキツかった(^^;
で、初めて以来、毎日更新していたブログですが。
遂に、昨日は更新できませんでした(><)
日々自分の知識の更新を図ること、
情報と頭の整理を目的に始めたのですが、
こちらを優先して、仕事で迷惑を掛けては本末転倒ですしね。
ま、継続が途絶えたことは残念無念ですが・・・。
でも、また心新たに今日から始めていこ~っと。
で、まだ昨日までのダメージが残っているので、今日はリハビリ。
一度途絶えたことでも、やる気があれば、いつだって再開できるし、やり直せる。
なんだか人生の縮図を見たような気がした今日この頃でした。
Vol.193 原因はどこに
今年の所得税の確定申告も明日まで。
消費税は月末までですが。
よく「目が回るほど忙しい」な~んて言いますが。
私、本当に目が回っています・・・(^^;
原因はたぶん分かっています。
間違いなく寝不足ですね。
で、この確定申告のお手伝いをさせていただいた事業主のかたの中には、
売上が思うように伸びず、経営が苦しい・・・というかたも数人。
税理士が、売上を伸ばしてあげることは不可能。
さらに、偉そうなことを言える立場ではないのですが。
ただ、悪くなった原因がどこになるのか。
これは掴んでおく必要がありますね。
俗に「窮境原因」といいますが。
「だったら、こうすべき」が見えるかどうか別にしても、
原因すら分からなければ手の打ちようも考えようもないですし。
私も場合、今年のドタバタになった原因を分析したうえで、
来年からはもっと前倒しで業務に取り組まないと、
来年も目が回るってことですね(^^;
Vol.192 続・1日違いで大違い
不動産の譲渡で得た儲けに課される税金が、
不動産を購入してから売却するまでの所有期間が5年超どうかで倍違う。
この5年超かどうかは、購入してから売却する日までではなくて、
売却する日の年の1月1日時点で5年超かを判定する。
ここまでが、昨日のお話しですね。
で、この購入し日と、売却した日は、不動産の「引渡し日」とするのが原則です。
つまり、通常なら、代金の決済をして登記をした日になるってこと。
ただ、この「引渡し日」ではなく、「契約日」を選択できるという解説を目にすることがあります。
これは誤りで、「契約日」ではなく「契約の効力発生日」を選択できるとするのが正解。
細かいようですが、実際にこれで不利益を受けることもあるってことです。
「契約日」なら、契約書を作成した日付でOK。契約書の中身は不問ってこと。
でも、「契約の効力発生日」だと話は違うよと。
つまり、「中身はどうなの?」となる。
契約書の中をツラツラと読んでいると「停止条件」が記載されていると要注意。
簡単に言えば、停止条件とは「ある条件が成就すること」が前提条件だよって意味。
その条件が成就したら、その成就した時から効力が発生します。
△
民法127条1項
停止条件付法律行為は、停止条件が成就した時からその効力を生ずる。
▽
その条件が成就しなかったら、契約日付に遡って、その契約は無効になっちゃうってことです。
たとえば、「テストで100点をとったら、焼肉食べに連れてってあげる」という契約なら。
「テストで100点をとること」が「停止条件」で、これを成就すれば、
焼肉食べに連れてってもらえるわけです。
でも、100点をとれなければ・・・。
契約は最初からなかったことになっちゃうわけ。
で、停止条件付の契約かどうかで次のような違いが生じ得るということ。
【購入時の契約が停止条件付ではない場合】
購入時の売買契約日:平成20年12月31日
売却時の売買契約日:平成26年1月31日
→この場合だと、不動産の所有期間は平成26年1月1日時点で5年超。
儲けに課税される税率は、20%(所得税・住民税)
【購入時の契約が停止条件付の場合】
購入時の売買契約日:平成20年12月31日、ある条件が成就したとき:平成21年1月10日
売却時の売買契約日:平成26年1月31日
→この場合だと、不動産の所有期間は平成26年1月1日時点では5年未満。
平成21年1月10日~平成26年1月1日 で判定するわけですから。
儲けに課税される税率は、39%(所得税・住民税)
ただ、民法127条3項では、次の規定があります。
△
当事者が条件が成就した場合の効果をその成就した時以前にさかのぼらせる意思を表示したときは、その意思に従う。
▽
この場合の契約の効力発生日は・・・契約日となるのでしょうね。
通常は、契約書にこんな文言が入ってるのでしょうけど、なかったら・・・
ちょっとしたことで、この違い。ホント恐ろしいですね~・・・。
やはり、契約書の中身は十分チェックするべきですね。
Vol.191 1日違いで大違い
今年の確定申告も、16日の期限まで残りわずか。
で、相変わらずドタバタしているのですが。
今日の仕事での確定申告ネタを一つ。
不動産を譲渡した場合の儲けは、
給与や年金などとは別個に税金を計算するのですが。
適用される税率が、不動産を所有していた期間に応じて倍も変わる。
具体的には、不動産を所有していた期間が5年超かどうかで大きく変わります。
話を簡単にするために、復興特別所得税の2.1%上乗せ分を省けば、
5年超所有していれば、所得税と住民税を合わせて20%。
5年以内だったら、なんと39%に跳ね上がる。
で、気を付けたいのは、
この5年超かどうかの判定。
購入してから売却日までの期間ではなく、
購入してから、売却する年の1月1日で判定ってこと。
たとえば、平成20年12月31日に購入、
平成26年3月31日に売却なら5年超になる。
ところが、平成21年1月31日に購入。
平成26年3月31日に売却なら、1月1日では5年以内。
つまり、購入してから売却するまで、5回正月を迎えないとダメってこと。
ここまでは、知ってるって人も多いかも。
で、本題はここからなのですが。っと、長くなるので、続きは明日へ~(^^)
Vol.190 見直すべきか。
さて今日も確定申告ネタということで。
以前も書きました(・・・いつか忘れちゃいました)が。
空前の超低金利のおかげで、住宅ローンで儲かっちゃうってケースもある。
今日の日経電子版の記事です。
△
まず0.57%で住宅ローンを組むと、借入残高の1%が10年間、戻ってくる(住宅ローン控除)。
さらに、消費税8%が適用される住宅を取得すると「すまい給付金」で最大30万円もらえ(http://sumai-kyufu.jp/)、
2014年12月27日以降に工事請負契約をした家で要件を満たせば、「住宅エコポイント」として最大30万円分のポイントをもらえる。
(http://shoenejutaku-points.jp/user/apply/)。
つまり、お金を借りて金利を支払うと、金利以上のお金をもらえるという「マイナス金利」と同じ効果が働いているわけだ。
こうした局面では、現金を持っていても、あえて住宅ローンを組むのが正解だ。
▽
これだけの超低金利ですから、
そりゃ、この手の記事も出ますよね~。
財務省主税局の偏差値70のお役人の方々でも、
まさか、こんな超低金利になるとは想定外だったのでしょうか。
これで、賃貸派のかたが持家派に寝返るのかどうかわかりませんが。
少なくとも、高額所得者に有利に働くことは間違いなさそう。
所得が低いと、高額な住宅ローンを組むのは難しいですから。
こんなところにも、格差社会の影響がでるのですね。
「住宅ローンの金利の負担を軽減してあげよう」本来は、こんな目的だったはず。
そういう意味では、見直すべき制度なのかもしれませんね。
Vol.189 なぜだろう?
法人を設立するに際して、決算をいつにするかは自由に選べます。
何月にするかは様々ですが、ほとんど月末を決算日としますね。
個人で事業をされているかたの決算日は12月31日ですね。
で、法人の場合の確定申告期限は、原則として決算日の2か月後です。
ただし、一定の場合には1月延長して、3か月後とすることも可能。
個人はといえば、そう、3月15日ですね。
決算日から2か月後でもなく、月末でもなく、3月15日。
なぜ、そんな中途半端な日なんだろう・・・と、毎年疑問に思ってます。
役所の都合で決まったのか、誰かの鶴の一声で決まったのか。
確定申告期限を3月31日とするのと、15日とするのとで、
そんなに違いがあるとは思えないのですが。
ちょっと落ち着いたら調べてみようかしらん。
蛇足ですが、個人のかたの消費税の確定申告期限は3月31日です。
お間違えないように(^^)
Vol.188 税制は万能か?
どこまでを税制で見るべきかという議論があります。
たとえば、障害者のかたを対象とした社会保障などがこれ。
税制ではなく、給付で手当てすべきというのが一つの考えです。
で、「子育て支援」についても税制での手当てがあり、延長されるのですね。
今日のタビスランドの記事です。
△
現在衆議院で審議中の平成27年度税制改正法案では、
今月3月末で適用期限を迎える「くるみん(次世代認定マーク)」取得企業に対する優遇税制措置に関して、
見直した上で適用期限の3年延長が盛り込まれている。
くるみんは、従業員の仕事と子育ての両立を図るための雇用環境の整備や、
子育てをしていない労働者も含めて多様な働き方を選択できる労働条件の整備などに取り組むため、
計画期間、目標及びその達成のための対策と実施期間を記載した「一般事業主行動計画」を策定し、
その目標を達成するなどの一定要件を満たした企業に厚生労働大臣が「子育てサポート企業」の認定を行うとともに、
くるみんが与えられる。
▽
これが「くるみん」↓
少子化対策の一環なのでしょうかね。
企業にも、子育てサポートの体制を整えてもらい、
働く人達にとって、より子供を産みやすい環境にしよう。
その協力をしている企業には、税制上の恩恵を与えますよと。
何でもかんでも税制で・・・みたいな感じがするのですが。
さて、どこまで効果を発揮するのやら・・・。
個人的にはちょっと疑問です(^^;
Vol.187 経理業務の位置づけ
「3月16日」 所得税と贈与税の確定申告期限まで、残り1週間ですね。
私もおかげさまで、忙しくさせていただいているのですが。
なかには、事業をされているものの、日々の経理は後回し。
結局、この時期にならないと所得税と消費税がどれくらいかかるのか分からない。
な~んてお客様もチラホラ。お手伝いさせていただこうかと提案しても、
「ん~、費用がかかるなら自分で」と判断されるのですが。
で、フタを開けるとビックリする額の税金が(^^;
「利益が増えましたね~」との連絡をするのは、私も嬉しいのですが。
ただ、利益が増えたのなら、税金も増えて然りなわけで。
経理作業って、後ろ向きな作業のイメージが強く、
経理作業自体は利益を生まないので、後手に回るかたも多いのでは?
ただ、日々の収支を締めて、月々の利益を把握すれば、おおよその税金の額ならつかめますね。
「この儲けなら、今月はこれくらい納税用に置いておかないと」って思考も働くでしょうし。
それに、肝心の事業の資金繰りも、より精度を上げて管理できますし。
結果を踏まえて、「じゃあ今後はこうしよう」と、計画の見直しも可能。
思い当たる節のあるかたは、是非、月次決算に取り組みましょうね!!