Vol.203 判決の射程
世間を賑わせた「ハズレ馬券訴訟」の影響はどこまで及ぶか。
税理士業界として関心の高いところですが、
パブコメが公表されましたね。
改正案は次の通り。
△
「所得税基本通達の制定について」の一部改正について(法令解釈通達)」
34-1 次に掲げるようなものに係る所得は、一時所得に該当する。
(1) 懸賞の賞金品、福引の当選金品等(業務に関して受けるものを除く。)
(2) 競馬の馬券の払戻金、競輪の車券の払戻金等
(注)1 馬券を自動的に購入するソフトウェアを使用して独自の条件設定と計算式に 基づいて
インターネットを介して長期間にわたり多数回かつ頻繁に個々の馬券 の的中に着目しない網羅的な購入をして
当たり馬券の払戻金を得ることにより多額の利益を恒常的に上げ、
一連の馬券の購入が一体の経済活動の実態を有することが客観的に明らかである場合の競馬の馬券の払戻金に係る所得は、
営利を目的とする継続的行為から生じた所得として雑所得に該当する。
2 上記(注)1以外の場合の競馬の馬券の払戻金に係る所得は、一時所得に該当 することに留意する。
▽
つまり、判決は固有のケースで、これとほぼ同じ条件でないと一時所得ですよと。
雑所得とするハードルを下げた訳ではないということですね。
ま、当然といえばそれまでですが。
程度の問題がありますが、間違えても、
「ソフトを使用して複数回やればいいんだ」
なんて単純な考えは持たないことですね。