Vol.96 予想通りか・・・
消費税について、軽減税率を導入するに際しての問題点を、何度か書いていますが。
当初は、一部の食料品に限って、軽減税率の導入を検討していたはずが、
その対象品目が、大幅に増えていくかもしれません・・・。
やっぱりか・・・という日経の記事です。
△
公明党の山口那津男代表は6日放送のBS朝日番組で、
生活必需品の消費税率を低く抑える軽減税率を導入した場合、
新聞や書籍も対象にすべきだとの考えを強調した。
新聞や書籍などの活字文化は重要との認識を示した上で
「ヨーロッパでは知識や情報には課税しない。
民主主義の基礎的インフラを安く提供すべきだ」と述べた。
▽
現状でいけば、今回の衆院選でも、与党が大勢を占めそうです。
チャンスと見るや、一気に攻勢に出た感じでしょうか。
当初、新聞社は、軽減税率の対象に新聞を含めるよう主張し、軽減税率導入を勧めていました。
ところが、軽減税率の対象品目から新聞が外され、食料品に限られると分かると、
軽減税率に疑問を投げかける記事が目立ってきました。
さて、今回の公明党のこの発言、
新聞記事の今後の内容に、影響を及ぼすのでしょうね。
平成16年9月21日に開催された、第15回政府税制調査会で、消費税について、
諸外国の実情をまとめた「税制調査会海外調査報告」が出されています。
軽減税率を推奨している方々には、是非読んでもらいたい資料です。
(こちらの旧内閣府税制調査会HP、平成16年9月21日 第15回の「提出資料」からご覧いただけます)
たとえば、こんなことが書かれています。
(デンマーク)
新聞といっても、週刊新聞、月刊新聞といったものもゼロ税率の対象となっており、
標準税率が適用される雑誌等との間で、「税の歪み」が生じている。
また、新聞にゼロ税率を適用するための執行コストも大である。
(ノルウェー)
2001年付加価値税改革では、政治的合意として軽減税率制度が導入されたが、
決して歓迎すべきことではない。
(スウェーデン)
軽減税率は非常に多くの歪みを生じさせており、単一税率の方が望ましい。
(ドイツ)
軽減税率はその執行に伴うコストが大きいため、税率構造の簡素化や他の施策を検討すべきとの意見
が聞かれた。
(フランス)
対象品目については常に議論があることや、具体的な適用税率の判断について紛争が生じることがある旨の指摘があった。
・・・さて、これら多くの国が忠告してくれている意見は、
全く無視されてしまうのでしょうかねぇ。