Vol.62 初志貫徹?
黒田バズーカと称される、日銀の追加金融緩和は、市場の予測を超えるものだったのですね。
日経web版から。
マネタリーベース(資金供給量)を約80兆円まで拡大するとしたわけですが、9人の政策委員のうち、賛成が黒田総裁を含め5人、反対が4人。まさに薄氷の可決だったとのこと。
マネタリーベースの拡大のほか、上場投資信託(ETF)や不動産投資信託(REIT)の買い入れも3倍に増やすことから、日経平均株価も急進、反面、円相場は急落し円安が進みました。
日本円の価値は下がって、日本株は上がった。トータルすれば、日本の価値は上がったのでしょうか、下がったのでしょうか・・・。
で、黒田総裁は、就任当初から言い続けている「2%の物価上昇目標の早期実現を確かなものにする」ことにこだわっているのでしょうね。
デフレ脱却のためなのか、自らのプライドなのか、安倍総理のためなのか、それ以外のもっと別の理由なのか、分かりませんが。
安倍総理からすれば、2%の物価上昇の見通しが立てば、消費税増税にも踏み切れるという思惑もあるのでしょうかね。つまり、黒田総裁には頑張ってもらいたいと。
ただ、金融政策だけで実態経済が回復するとは、ちょっと信じにくいですね。
三菱東京UFJ銀行では、貸出資金としての預金は大量にあるものの、貸出先がなく、調達した資金を運用して得られる利回りが、調達資金の原価を下回っているようですし・・・。
なんだか、国を挙げて実体経済の弱さに化粧をすることで、隠しているようにも思えてきて・・・消費が強くて物価が上がるのと、円安で原材料などが上がった結果物価が上るのでは、重さが違うと思うのですが・・・。
いや、経済のことを分かっていない、一介の税理士の戯言であれば、それに越したことはないのですが。
そんなさなか、維新の党・みんなの党・生活の党は、「消費増税凍結法案」を衆院に共同提出しましたが、さて、年内にするとした消費税の10%引上げの判断は、いったいどうなるのでしょうね。