Vol.164 源泉徴収制度っていったい・・・
受け取る給与からは、色々と天引きされていることと思います。
「源泉徴収」というやつで、所得税も、源泉徴収される一つですね。
お勤め先の企業が、給与を支払う際に所得税を源泉徴収し、
給与を受け取る皆さんに代わって、国へ納付しているわけです。
で、企業が所得税を源泉徴収するのは、給与の支払い以外にもあります。
たとえば、弁護士や税理士なんかに報酬を支払う際も、所得税を源泉徴収します。
所得税法204条で「報酬を支払うときは、所得税を天引きしてね」と規定しているためです。
ただ、支払う側が、法人ではなく、一定の個人事業主の場合には、源泉徴収が不要とされてます。
簡単に言えば、「人を雇っていない個人事業主」が、これに該当します。
誰も人を雇っていない個人事業主なら、当然給与は支払わない。
給与を支払わないなら、給与から所得税を天引きすることは、あり得ない。
そんな個人事業主にまで、弁護士や税理士なんかに報酬を支払うからといって、
その分だけ所得税を源泉徴収させて、納めてもらうっていうのも酷でしょう。
だから、人を雇っていない個人事業主であれば、
報酬を支払う際にも所得税は源泉徴収しなくていいってわけ。
(所得税法183条、184条、204条2項2号 参照)
ただ・・・
その個人事業主が人を雇っているかどうか、
請求書を発行する弁護士や税理士なんかが知っているかどうか・・・。
源泉徴収する所得税があれば、通常は請求書に記載されるはず。
その請求書は、当然、 弁護士や税理士など、請求する側が作成するわけですね。
請求書を作成する側で、相手が所得税を源泉徴収する義務の有無を判断・・・なんて無理ですよね。
請求書を発行する際に、「請求書を発行するんですけど、あなたは人を雇っていますか?」
なんて、いちいち聞くことなんてありえないでしょうし。
そんなことを考えてみると、源泉徴収制度って、
なんだか不思議な制度なのかも(^^;