Vol.135 格差社会
税制改正大綱の目玉の一つに「法人税率の引き下げ」があります。
端的に言えば、黒字法人優遇、赤字法人課税強化。
格差社会は法人の世界にも広がるのかなぁ。
税制改正大綱では、
△
「課税ベースを拡大しつつ税率を引き下げる」ことにより、
法人課税を成長志向型の構造に変えるものである。
(略)
「稼ぐ力」のある企業や企業所得の計上に前向きな企業の税負担を軽減することで、
企業の収益力の改善に向けた投資や新たな技術開発等への挑戦がより積極的になり、
(略)
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と説明されています。
今回は、主に大企業向けの「課税ベースの拡大」に留めました。
まだまだ業況が厳しい中小企業にも手を付けるのは、時期尚早との判断だったのでしょう。
ただ、
△
中小法人のうち7割が赤字法人であり、一部の黒字法人に税負担が偏っている状況を踏まえつつ、
中小法人課税の全般にわたり、各制度の趣旨や経緯も勘案しながら、
引き続き、幅広い観点から検討を行う。
▽
としています。
近い将来には、「中小法人にも手を付けるよ」と。
敢えて法人には利益を残さないようにしているケースもあるので、
一部の赤字法人にも税負担を求めるとする理由も分かるのですが・・・
これが実行されると、
本当に厳しい中小法人にはたまったもんじゃないでしょうね。
本当に厳しい中小法人には税負担を求めず、節税スキームとしての中小法人利用には課税をする。
やるなら、これなんでしょうけれど・・・さて、執行できる仕組みが作れるかどうか。注目です。