Vol.45 見通しの甘さ?
「まあ、そうなっても不思議ではないかな」と思うニュースって、たくさんあると思います。太陽光発電も、その一つでしょうか。
再生可能エネルギーの買い取り中断の口火を切ったのは九州電力でしたね。その後、北海道電力、東北電力、四国電力の各社が九州電力に続きました。東京電力、関西電力、沖縄電力も買取に制限を設ける事態に・・・。
松村敏弘東京大学教授は「(政府が)制度設計に失敗したのは(小委員会も含め)反省すべきだ」とバッサリ。
この一連の騒動を受けて、経済産業省は、現状改善のために、太陽光発電の買い取り価格を大幅に引き下げるようですが・・・。
買い取り制度については、買い取り価格もそうですが、税制上の取り扱いがどうなるかも、気がかりな問題です。
というのも、太陽光発電設備の投資額全額を経費に計上できる「グリーン投資減税」の適用を受けるためには、「事業の用に供する」ことが前提になるためです。
太陽光発電設備を設置して売電をする場合は、売電が始まってはじめて「事業の用に供した」といえます。電力会社との電力受給契約が未成立で、系統連系工事の見通しが立たない状態では、事業の用に供しているといえませんから、「グリーン投資減税」を適用できないことになります。
この点、「週間税務通信」の記事では、電力会社との受給契約が成立しているものの、連系工事が”遅れて”送電できない場合には、当初予定されていた工事実施日を事業供用日とすることも認められるとしていますが、買い取り自体が中断されてしまったら・・・。
さて、この問題をどうやって乗り切るのか、経済産業省の対応が注目されますね。