Vol.52 一歩ずつ
とてもできそうにないと感じる事ってありますね。
全体の量が多すぎて、無理そうだと感じても、パーツパーツに区分して、一つのパーツに絞って粛々と進めていけば、いつの間にか出来ていくものです。
難しすぎて無理そうだと感じても、基本から積み上げていけば、出来ていくものだと思います。
Vol.32や33でも書きましたが、いよいよ配偶者控除にメスが入ります。
年末に発表される今年の税制改正大綱に盛り込まれるか否かは、まだ分かりませんが。
10月21日の政府税制調査会の資料でも、配偶者控除をどうするのか検討されていて、「103万円の壁」と「130万円の壁」についても触れられています。
で、同日に開かれた、経済財政諮問会議では、「配偶者『手当』」の見直しがテーマとして挙げられたようですね。
安倍首相は、一宮人事院総裁に「国家公務員の配偶者制度の検討を行っていただきたい」と指示されたそうで。
企業などが独自に支給している「配偶者『手当』」の見直しに向けて、まず国家公務員から改革に着手するんですね。
よく、壁は越えるために存在すると言われますが、配偶者に関係する税制、社会保障についても、一歩ずつ、確実に進んでいるようですね。
仮に、これらの壁を越えたとして、それでゴールかと言えば、そうでは無いようにも思ったりします。
今は、夫婦収入があっても、夫と妻は別々に税金の計算をする、いわゆる「個人単位主義」を採用しています。
「あたりまえでしょ」って感じかもしれませんが、ここにメスを入れる時が来るのかなぁ・・・なんて妄想したりします。
現に、夫婦単位や家族単位で所得を計ったほうが、「夫婦単位や家族単位で考えた場合の税負担は公平になる」という考え方があり、戦前には、家族の所得を合算して所得税を計算する「家族単位主義」が採用されていました。
ただ、既婚者と独身者との差別を生んだり、高額所得者に有利に働くなどの問題もありますので、当時の制度からは、大幅なバージョンアップが必要になりますが。
でも、一歩ずつ進めていけば、現在の「個人単位主義」から「夫婦単位主義」や「家族単位主義」などに変わる時代が来るのかもしれませんね。